L’ Eroica 2015
L’ Eroica 2015
2015.5.17
L’ 英雄
2015年5月17日(日)に鉄製のクロモリ自転車限定イベント『エロイカ』に参加してきました。
少しドキッとするネーミングですが、イタリア語で“英雄的な”という意味で、 日本では『L’英雄』とも表記されています。
オフィシャルサイトから引用すると、
“L’Eroica-エロイカ-”とは、かつて未舗装路をその過酷さをものともせず、情熱を持って走り続けた先人の「英雄」たちに敬意を表して行われるイタリアのヴィンテージ自転車イベント「L'Eroica(エロイカ)」のオフィシャル姉妹イベント。
とあります。
イタリア、日本、イギリス、アメリカ、スペインの5カ国で開催されていて、日本は2013年から始まり今年で3回目を迎えました。
主催国イタリアでは参加者が6000人にものぼり、参加権が抽選になるほどの人気イベントです。日本は最初に認定を受けた姉妹国なんですが、参加者も200名前後とこじんまりしたアットホームな雰囲気なので、本来なら1987年以前に製造されたヴィンテージ自転車『エロイカクラス』だけのイベントなんですが、それに加えて、ミニベロ・MTBを除いたクロモリフレームの『ニューヴィンテージクラス』も設けられています。
コースはロング90.5km、ミドル65.5km、ショート36.3kmの3つ。当時のコスチュームに身を包んだ外国からの参加者も多く、未舗装路をクロモリ自転車で走るというのもこのイベントならでは。
私たちは、ニューヴィンテージクラスのミドルコースにエントリーして、富士山世界文化遺産の構成資産を3つ巡りました。
走行距離:65.5km(実測:65.5km)
標高差: ±596m
今回は京都駅から三島駅までは新幹線で、そこからレンタカーで現地まで向かいました。
はじめてロードバイクを輪行しましたが、700系の後部座席に2台収納できました。
三島駅でレンタカーに乗り換え。TOYOTAハイエースにロードバイク6台と大人4名、手荷物が余裕を持って積み込めたので、もう一台借りたタウンエースは空っぽに。ハイエースだと大人2名に自転車10台は積めると思うので、あと8人乗りのクルマがあれば10名の移動ができますね。
三島駅から1時間30分ほどで前日受付会場に到着。サコッシュにはゼッケンなどのアイテムが入ってました。
コルナゴのタンデムも飾られていました。 参加者のヴィンテージバイクもズラリと並べられていて、 18:00開宴の前夜祭を待たずに、なかなかお目にかかれないカンパのギアシステムを搭載したオーナーによる即席講習会が始まったりと、情熱的かつ和やかな雰囲気でした。
会場より2~3km離れたオフィシャル推薦の100%天然温泉『ホテル光風閣くわるび』に宿泊。夕食は、前夜祭に申し込んでいなかったのでホテルの向かいにある洋食屋さん『花しのぶ』へ。
ここのお店、雑誌、ラジオ、テレビでも紹介されているお店だったようです。絶品オムハヤシにアイスミルクを、食後の手作りベイクドチーズケーキにはホットミルクをチョイスしたり…。
朝食バイキングで腹ごしらえをして自転車の組み立て。 エロイカにピッタリ、日本の原風景を蘇らせた『西湖いやしの里根場』からスタート。
スタート地点からは、富士山が綺麗に見えました。8:30〜ロングがスタートして、10名1分間隔の時差スタートです。
スタートしてから50mもしない内に砂利道に突入。こんなにも早く未舗装路になるとは思ってもなかったので動揺してポテリと転倒。尻餅をついたのは私だけで、皆さん器用に砂利道を駆け上がってはりました。でもこの後、ここがまだ序の口だったと思い知ることに。
精進湖にて。
千円札の裏に書かれてある富士山の絵柄と同じポイントで記念撮影。
と思いきや、次の本栖湖が正真正銘の逆さ富士だったようで…。
このすぐ後に1つ目のチェックポイントに到着。
富士山の水とスポーツドリンク(粉末)が配られました。
この日、本栖では徳川家康から命を受けた伝統行事『本栖公家行列』が行われていました。行列の出発点“山神社”を過ぎたところにエロイカの案内看板が…。まさかの登山道…、今から思うと超スローペースでしたがコケなかったので比較的落ち着いた道だったんじゃないかと…。
登山道を抜け出るとクルマもほとんど通らない整備された道に。 穏やかな本栖湖。
ここが正真正銘、千円札に描かれた逆さ富士が眺望できるビューポイント。
この坂を下ると二つ目のチェックポイントに到着。ここでも 富士山の水とスポーツドリンク(粉末)が配られました。
本栖湖をぐるりと一周して、富士ヶ嶺に向かいます。富士ヶ嶺高原では、柵もない広い草原でのんびりと過ごす牛の放牧が見られます。癒しの時間です。
そうこうしてるうちにミドルコース唯一のエイドステーションに到着(37.4km地点)。地元の方達からのおもてなしです。おにぎり2ヶと野菜の浅漬け、コンニャクの田楽と煮卵は絶品でした。
へっぴり腰でも気にせずペダルを回します。高原なので、じわりじわり上っています。優しい目のお馬さんにも会えますよ。つかの間の癒しの時間。
ふわぁ〜と流していたら、これまた突然エロイカの看板が現れて、左折するよう指示があり、見ると下りの砂利道が…。みんなで一斉に「え〜?!ここ走んの?!うそ〜!」となりました。
完全にオフロードバイクで走る感じのコースで、木の枝や石の大きさが他と違いました。普段なら絶対に避けるコースですが、こんなところをロードで下ってるという非現実的なシチュエーションに、コワイのに笑いが止まりませんでした。あともう少しで石も小さくなるってところで気が抜けて木枝を避けきれずにボテンと転倒。そもそもスピードも出ていなかったのでスローモーションで草むらの上に尻餅。テクニックもないのにビンディングで走ったのがマズかったです。でも情熱を持って走り続けた先人達の気持ちが少し体感できたんじゃないかと思える瞬間でした。Moku店主は「MTBで下るようなダートコースを23cの細いタイヤで走ってるっていうのが面白かったし、石の大きさとかを見極めてコース取りするのも楽しかった。」とそれぞれ温度差はあったにせよ楽しい経験で、こんなコースでもパンクはゼロでした。
おまけ
ビンディングペダルの話が出ましたが、エロイカクラスとニューヴィンテージの線引きは、ビンディングが採用された1988年より前か後かで区切られています。その他にもエロイカクラスにはいくつかの規定があって、イタリアはこの規定で6000人も集まるんですね。スゴい。(以下オフシャルより)
・1987年以前に製造された自転車であること。
(シクロクロス、タイムアタック用は不可)
・スチールフレームであること。
・変速レバーはフレームに取り付けられていること。
・ブレーキケーブルはハンドルの外部に露出していること。
(※1987年以前に製造された自転車であれば例外を認める。)
・ペダルはビンディング不可。
・規定以外の自転車での参加は、認められません。
じりじりと上って、ミドルコースの最高点(1125m)展望台に到着。エロイカクラスの方達はギア数も少ないだろうに、砂利道でも舗装路でもスイスイと軽快に走られていました。ここからはほぼ下り。
最後の砂利道。イメージしていたダートコースはこんな感じで鴨川の河川敷みたいなのを想像していたんですが軽率でした。先人達の情熱はこんなもんじゃない。本当に貴重な経験でした。この後、西湖を半周してゴール!
ゴールの後はパスタパーティです。西湖いやしの里内にある茅葺き屋根のごろ寝館で日本のパスタ“焼きそば”が振る舞われました。
参加者全員にエロイカ特設ステージで撮影した缶バッチがもらえます。クルマで5分ほど離れた温泉の割引チケットももらえます。
完走証、富士の地酒、2016年のカレンダー、サコッシュ。
ここでしか買えないだろうと思われる収穫品。エロイカ2015オリジナルTシャツ、エロイカのサイクリングキャップ、カンパニョーロの変速機(ヴィンテージ)に特化した冊子。Tシャツには今年の開催スケジュールがプリントされていました。(4.12カリフォルニア、5.3イタリア、5.17日本、6.7スペイン、6.21イギリス、10.4イタリア)
受付会場が前夜祭の会場にもなっていて、限定オフィシャルグッズの販売や、BrooksやMIYATA SPORTSなども出店されていました。ヴィンデージパーツのお店では珍しいものがたくさん売られていて、ダイナモが出てくる前のオイルランプもありました。このランプ、火力調整も出来てサスペンションも付いているんですよ。
精進湖
西湖いやしの里の中を走り、青木ヶ原樹海を抜け、しばらくすると精進湖が現れます。お天気も良く空が澄んでいたので初夏の富士山がバッチリ拝めました。
Special Thanks♪ : Katsu san