60歳を目前にしばらく乗っていなかった自転車に乗り始めた方や、

60歳を過ぎてから初めてスポーツバイクに乗り始めた方などなど…。

そんな生き生きとアクティビティな毎日を過ごされている

オーバー60の皆さんをご紹介します。

 
1942年生まれ

愛車:BD-1 Titanium ’01model と ’05model のMix

愛車歴:11年目(2001年〜)

◀折りたたんだココからの角度が好きと言われていました。

▲現在進行形で改良を重ねられているハンドル廻り。ご自身で綿密に角度、突き出しを計算して作られたオーダメイドのチタンステムとチタンハンドル。チタンステムは2本目で、必需品のライトやドリンクゲージ、スピードメーター、ブラケットなどにもアンテナを張って、アクセサリーパーツを如何にスマートに収められるか日々思案されています。

愛車はBD-1チタンモデル。

このモデルは 発売当初メインフレームだけがチタン製で前後フォークはアルミ製でしたが、数年後にフルチタンモデルが発売されたのを機に2005年にもう1台購入。そのまま乗り換えかと思いきや、フレームカラーがチタンポリッシュからマットグレイに変更されてしまったため、艶有りのメインフレームはそのまま残して、前後フォークだけをアルミからチタンへ交換されました。それ以降、2001年と2005年をミックスしたフルチタンモデル1台で楽しまれています。


乗物はこのBD-1だけ。日々のお買い物からツーリングまで毎日BD-1と一緒に過ごされているので1mmの変化も体感できるほど乗り込んでいらっしゃいます。 自分の体格や筋力に合った快適で疲れにくいBD-1に仕立てるために購入当初から改良を重ねられていますが、走行中に気になったところを分析して、それを確かめるために次の日またBD-1に乗る。そんな毎日を過ごされているので今ではどこへ行くにもBD-1と一緒。もうご自身の一部になっているそうです。

そもそも自転車に乗るようになったキッカケを伺うと、「今まではほとんど自転車に乗ってなかったんだけど、体を壊してからリハビリに良いんじゃないかと一般車(ママチャリ)に乗り始めたの。でもそれが思いのほか楽しくて、京都・神戸・大阪を自転車で巡ったら面白そうだなと思って、取りあえず手頃な折り畳み自転車を買って(この時1997年)、関西三都を輪行徘徊していたら、とにかく自転車が重くてね。折り畳んで電車に積むだけでヘトヘト…。たいして走ってないのに輪行するだけでもの凄い体力を消耗しちゃってね。それで2代目の自転車を模索して、当時はまだ折りたたみ自転車を街で見かけることがほとんど無くて色々と調べ歩くうちに、重量は軽いけど走行性が頼りなかったり、走行性に問題が無くても携帯しにくかったり・・・。クルマに乗らないから携帯性は絶対条件なんだけど、旅行にも対応できるぐらいの積載量も欲しいのに荷物が充分に積めなかったりね。携帯性・走行性・積載量で納得のいく折りたたみ自転車を見定めるのに4年も掛かったんだよね。だから買った時の嬉しさもひとしおで行動範囲も広がって学生時代に過ごした京都を中心に走り回わったよ。」と当時を懐かしみながら楽しそうに振り返っていらっしゃいました。何度も何度も使い方を想像して現在の愛車を選ばれたそうですが、そこからが改良の嵐でした。上の画像でご紹介しているハンドル廻りひとつ見ても何度も何度も同じようなパーツを試されています。それがフレーム以外の至る所で見られます。基礎となるものがしっかりしていれば、あとは何とかして使いやすいように改良すればいいと徹底して取り組んでいらっしゃいますが感覚も重視されるので、含み笑いで「この角度微妙に下に向いてない?」「うん?どの辺ですか?」「なんか触った感じいつもと違うような気がするんだけど」「えぇ?そうですか?」なんてやり取りは日常茶飯事で、外した物を寸分の狂いなく元に戻すのは難しいとお互い充分理解した上で、毎回どこで折り合いをつけるかディスカッションして。こんな時はネジの締め始める場所を変えたりを繰り返します。


次に体力について伺うと「自転車は今でも常にアンテナを張って改良を重ねてるんだけど、体力の衰えは逆らえなくてね。でもフィジカルトレーニングはしたくないんだよね。だから自分の体力&筋力に合わせた省エネ走行を一生懸命考えてるんだけど、この話、いつも小出しで話してるけど詳しく話すと長くなっちゃうよ?大丈夫?」と言われてドキドキしながらこれまでの経緯を聞かせてもらったんですが、自転車日記も付けられていて真剣に聞けば聞くほど生みの苦しみというか何と言うか可笑しくて…簡単にまとめるとこんな感じです。


<第一世代ラン:ポジション & フォーム>

失敗の連続(負の歴史)。前傾姿勢に慣れるまで9年。家のトイレの便座で格闘中にそのポジションを発見。一瞬だけ体の力が抜ける箇所があるのに気付き、自身の筋力でも疲れないポジションを “自分なりに” 会得。


<第二世代ラン:ペダリング>

その1年後、ペダリングの改良を試みる。日毎夜毎考え耽っていたところ、何気なくコーヒーを交ぜていたらテコの原理で起こる惰性回転を思いつく。そこから練習を重ねて自称『エアペダリング』を “自分なりに” 会得。


<第三世代ラン: 第二世代プラス>

さらに1年後の現在、膝の使い方を重点的に進化させようと実践中。

第三世代ランまで、『P・P・F(ポジション・ペダリング・フォーム)』をそれぞれ進化させようと工夫してきたけれども、それもそろそろ終焉を迎えそう。


とこんな感じでまとめてみましたが、2012年で愛車歴11年目ということで、その間一生懸命自転車本を読んで勉強していた時期もあったそうですが、自転車本離れしてから自分の乗り方が分かったような気がすると言われていました。足に掛かる負荷が変わってきたり、大きな筋肉を使い出したり、それでも年齢には逆らえなくて体力は落ちてくるけど(特に心肺機能)、夢中だからいつまでも課題は尽きないし今までの10年も早く感じる。今が一番楽しい!と言われていました。

書き手の私もツーリングにご一緒させていただく事があるんですが、ご自身が負の歴史と言われていた時期の走りと現在を比べてもその違いは明らかで、余計な力が働いていないのでスーーーッと気持ちよく前に進んでいて加速も速い。省エネ走行とはこういうことなんだろうなと思いながら走っていました。


またテクニックだけでなく、週に一度は阪急電車にBD-1を積んでMokuに立ち寄られた後、お気に入りの場所やカフェへ繰り出してリフレッシュしたり、鈴鹿耐久レースや琵琶湖1周、しまなみ海道などのロングツーリング、中でも琵琶湖1周は定期的にチャレンジされています。時には積載量抜群のサイドバッグにおでんの材料を積みこんだ『おでんツーリング』や、京都の有名どころのお豆腐を食べ比べる『利き湯豆腐ツーリング』などなど趣向の凝ったツーリングも変わらず楽しまれています。

自転車生活は11年目を迎えられますが、他に長く続けてる事や趣味のようなものはありますかと尋ねると「改めて聞かれると考えちゃうね…。でもそういえば無いかも…。これといった趣味も無かったしね…。」では自転車は何故と問うと「ただ単純に自転車が好きなんだと思う。 自分には自転車が合ってたんだよね。」と言われました。少し唐突な質問でしたが、毎日これだけ自転車の事を考えているんだからどっさりと難しい答えが返ってくるんじゃないかと構えていたら、とてもシンプルな答えが返ってきて頭でっかちな自分の考えを覆されたので嬉しくなりました。核になるものは至ってシンプルなんだなと。

人それぞれに楽しみ方があって、その過程で自分でも想像していなかった出来事が向こうからやって来たり、こちらから寄って行ったり、ひとつの事を続けると大小様々な可能性がたくさん現れるんだろうなと見て、聞いて感じました。


いつも真剣なんだけど遊び心は忘れない。キラキラしててカッコ良いです。

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