2011.12.15~16

▶ツーリングの案内役をお願いしたABEさん。白川をメインに「川沿いを走る」をテーマに素晴らしいコースを考えて下さいました。

(カズさんと祇園白川で記念撮影)

2011年12月 滋賀県で開催された全日本シクロクロス選手権に出場されたキャノンデール所属のMTBトップライダー山本和弘選手が急遽来店されました。山本和弘選手といえば、2007年鈴鹿8時間耐久レースでMokuがチューニングしたRacing Moulton(MTR01)に乗ってもらったあのカズ選手です。 約4年ぶりの再会だったんですが、1年間のヨーロッパ遠征から一旦戻ってきたカズ選手は色んなものに刺激を受けてさらにパワーアップしてました。カズ選手と一緒に挑戦した鈴鹿2007年について詳しくは『MokuTune Racing  まだまだ広がる可能性 〜モールトンでロードバイクに挑戦〜』をご覧下さい。


そのカズ選手、プライベートで京都に来るのは初めてと言われていたので12月15日は京都観光ツーリングをすることに。出発が14時だったので京都は小さいといってもどこまで案内できるだろうか・・・とその時の雰囲気を見ながら観光名所が密集している東山を巡ることに。まずはその時の様子をお伝えするとして、次に無理を承知で鈴鹿の後継車MTR02のインプレッションをお願いしてみると、なんとまぁ、さらりと快く受け入れてもらえたのでその翌日16日は峠でAM-EspritをベースにしたMTR02のインプレッションをしてもらうことに。

そんなこんなで、グッと凝縮された楽しくも課題がたくさん見えた2日間の様子をご紹介します。

◀Moku前の五条通から堀川通を北へ上がります。この通りは自転車道がしっかりと整備されていて歩道も広く、歩行者、自転車ともに比較的少ないので走りやすい通りです。

〜川沿いを走る〜

▶堀川通から御池通を東へ進み、鴨川沿いを南に下がります。鴨川は御池通を境に、砂利道から舗装路に変わるので、ここから南に下がる道はとても走りやすいんです。でも余所見してたら川へ落ちそうですけどね…。

◀鴨川沿いには小さな小さな凹凸があるんですが、Moultonのサスペンションはこんな小さな凹凸も拾うので、コロコロコロ〜と軽快に進む感じがめちゃくちゃ楽しいです。

▶四条通の手前で川端通へ出て、祇園白川へ。白川といえば『辰巳神社(辰巳大明神)』。祇園の芸舞妓さん達が技芸上達を願ってお参りする神社として知られていますが、ドラマの撮影スポットとしても有名なところです。

◀辰巳神社向かいの白川に架かる『巽橋』。比叡山から途中岡崎の疎水を経由して鴨川に続く小さな川ですが、見る場所で表情を変える変化に富んだ川です。ここ祇園白川は春の桜が見物ですが、この辺りは伝統的建造物群保存地区に指定されていて、質の高い町家がたくさん見られます。石畳も広がっていて、ここは少し大き目の凹凸なんですが、鴨川沿いとはまた違って、コトンコトンコトン〜とMoultonのサスペンションが動きます。そんなサスペンションの変化も楽しめますよ。

▶祇園四条から白川沿いを北東へ進みます。奥に見える門は華頂道の入口で知恩院に続く道です。左手には白川に架かる小さな小さな『一本橋 -行者橋-』があって、ここもサスペンスドラマなんかでよく撮影されているスポットです。三条通までこんな感じの道が続くんですが、ほんの少し離れるだけで同じ川でも祇園白川とはまた違った風情があって、この日はそこそこ寒かったんですが走りながら聞こえてくる川の音や匂いに癒されました。

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Moku2+4

◀向こうに小さく架かっている橋が『一本橋』です。ここからさらに北東へ進むと、突然目の前に大きな鳥居が現れます(写真を撮るのを忘れてしまいました…)。岡崎にある平安神宮の大鳥居なんですが祇園から斜めに攻めて平安神宮まで、歩行者も自動車も少ない路地をスイスイと走ってきたので大きな鳥居が視界に入ってきたときはワープしてきたみたいな気分になりました。

◀GOLPELでひと息ついたあと帰路に。ここでも「川沿いを走る」というテーマに則って白川沿いを通って祇園へ向かいます。今度は円山公園の中を通り過ぎ、高台寺、寧々の道、八坂の塔と続き、京都の花街『花見小路』へ。灯がともった祇園界隈をしっぽりと歩きました。ここからは五条通りへ出て、ひたすらMokuへ向かいました。14時からスタートして4〜5時間と短時間で東山をぐるりとツーリングできて、帰りは暗闇でしたがそれもまた乙で、ここまで巡れるとは思っていなかったので改めて京都って “こじんまり” したとこやぁと感じました。

▶平安神宮の大鳥居を仰ぎ見ながら、京都市美術館→京都市動物園を左手に通り過ぎ、南禅寺に向かいます。この道にも小さな凹凸があって、ほぼフラットに近いレンガ舗装路ですが、この僅かな凹凸でもサスペンションの動きが感じ取れます。惰性でもスーーーッと軽やかに前に進む、転がる感じがとっても楽しいです。楽しくてニヤニヤします。

◀南禅寺に向かうんですが、ABEさんが抜け道を知っているとのことで案内してもらいました。すると、蹴上インクラインの下にアーチ型のトンネルが!小さな小さなトンネルですが、こういうの見るとワクワクします。ここ蹴上インクライン(傾斜鉄道)は琵琶湖疎水を通って東山から鴨川まで荷物や人を舟ごと運んでいたケーブル鉄道なんですが、桜の名所でもあるんですよ。線路沿いには90本の桜が植えてあって歩いて鑑賞できるんです。と知った振りで語っていますが全然知らなかったのでまた桜の季節に訪れたいです。

▶まだ南禅寺です。時間の配分を考えつつ、日が暮れるタイミングも考えてルートの打ち合わせ。銀閣寺でも通り過ぎてみようかと北へ上がってみることに。

▶アーチ型のトンネルを抜けて、くねくねとした細い道をしばらく走っていくと南禅寺の南側へ出てきます。走ってきた抜け道も情緒があって雰囲気の良いところです。

◀左奥に見えるのが南禅寺の『水路閣』。琵琶湖と京都を繋ぐ水道橋です。これも蹴上のインクライン同様に明治に建てられたものなんですが、お寺の中に西洋建築・・・斬新ですよね。当時は賛否両論あったそうなんですが今では京都指定史跡に認定されています。しかもこれすべて日本人の手で設計・施行されたんですよ。ってこれも後づけの情報なんで、これまたその場でカズさんに説明できず・・・。カズさんそういうことなんで、どうぞよろしくです。

◀日暮れを気にしながら、銀閣寺に向かう途中にABEさんから「アフロヘアの仏像さんに興味ない?」と言われて興味ない訳ないので、まだ日暮れも大丈夫そうだったのでちょっと寄り道。

▶踏み入れたことのないゾーンへ突入。全く馴染みのない地域だったのでどこを走っているのかさっぱりでしたが、地味に傾斜がキツくなってきて、どんどん登っていって、夕日の差す町並みが綺麗だなと思っていたら『金戒光明寺』というお寺に着きました。正面からは自転車は入りにくいからと、ぐるりとお寺の周りを走って別の門へと案内してもらいました。

▶この石像の近くに2011年大河ドラマのヒロイン『江』の供養塔もありました。これまた偶然。

◀で、お目当ての仏像さんとご対面できました。『五劫思惟阿弥陀仏像』として祀られている石像です。平和を願って気の遠くなるような時間、思惟、修行した結果、髪が渦高く伸びた様子をあらわしているそうです。これも後づけの情報ですが、実際拝見するとズンッと重たそうなんだけど優しい気持ちになりました。

▶日暮れの時間も迫ってきたので金戒光明寺を後に。この辺には大小様々な石畳があって、しかも急な下り坂で大きめの無骨な石畳なんかはMTBばりにサスペンションが動く感じがして、そんな路面でもMoultonだと自転車から降りずに走ることができるのでニヤリとします。

▶展望台へは石段で上がって行きます。夕日に照らされた木々がとっても綺麗でした。この季節、この時間でないと見られない自然の色彩に溜め息が出ます。

◀ここ金戒光明寺は「新撰組」縁の地でもあるんですね。これも全く知りませんでした・・・。京都に住んでいながら勿体ない。

◀それから、あれよあれよと世界文化遺産『銀閣寺』に到着。せっかくなんで私たちも久しぶりに入ってみました。閉館前だったので人もまばらで落ち着いて寺内を歩くことができました。 正面玄関前にはきちんと整備された駐輪所があって、それほど大きくはありませんでしたが、守衛さんも居たので比較的安心して駐輪できました。(それでも鍵はしっかりと掛けましたが・・・)

初・銀閣寺のカズさんと砂で波紋を表現した『銀沙灘-ぎんしゃだん』の前で。

▶展望台からは左手に銀閣、右手に銀沙灘と本堂、東求堂が一望できます。下から展望台の位置を確認した時は、結構上まで登るんだなぁと、こんなに登ってたかなぁと思いましたが、西芳寺(苔寺)をモデルに造営されただけあって、苔むした庭園を、色づいた木々を見ながら登っていくとアッという間に展望台に着きました。

◀展望台に立つと、ちょうど日の入りの時刻でした。すでに山に半分ほど沈みかけていたんですが、とてもロマンチックでキャキャッと喜びながらカメラをセットしてたら、あれよあれよと沈んでいって撮れたのはほんの僅か・・・分かるでしょうか・・・真ん中に光る1mmぐらいの夕日。またもこの季節、この時間にしか見られない素敵な景色に会えました。

▶銀閣寺に来たなら絶対に立ち寄りたいカフェ『GOSPEL-ゴスペル』。おてんばkiki(旧名)時代から通っていますが、英国風の古い洋館が本当にステキなんですよ。手作りのケーキも美味しいですしね。こんな時間になるとジャズを聴きながら一人お酒を愉しむ紳士や、文科系っぽい(?!)学生が語り合っていたり、お昼でも若干薄暗い店内などなど、なんとも言えないゆっくりとした時間が流れています。ジャズとアンティーク家具に囲まれた大人の時間が過ごせますよ。

◀銀閣の前で記念撮影。派手な金箔を貼った金閣に対して、黒々とした漆色の銀閣。渋い。その前で微笑むカズさん。お茶目。

翌日の12月16日。昨日と打って変わってカズさんにAM-EspritをベースにしたMokuTune Racing Moulton 『MTR02』のインプレッションに付き合っていただきました。この日の京都はすこぶる寒く、Mokuのある西京極は8℃で意気揚々に出発したんですが北に上がるにつれてどんどんと気温が下がっていって、インプレッションの場に選んだ京都市北区『京美峠』に入ると1℃まで下がり、雨もパラパラ、しまいには雪に・・・。話しながら、写真を撮りながらと、ちょいちょい自転車から降りていたので尚更寒さが凍みて震えが止まらずヤバくなってきたので引き上げました。


カズさんも帰ってきて第一声が「こんな寒いの初めてですよーーー、超〜〜〜寒ーーーい!」でした・・・。北海道出身のカズさんに「なんか寒さの質が違う」と言われてしまった・・・京都の冬恐るべし。レースではもっとヒドい状況があるのではと聞いてみると「レースのときはアドレナリンも出て、エンジンも掛かってる状態なんで寒さを感じないんですよね。スピードも違うし、ましてや途中で止まったりもしないんでここまで寒さを感じないんですよね〜。」と言われて、「あ〜〜!!スピードかぁ〜〜!」とお供した店主が横で嘆いていました。大事な選手にこんな仕打ちをしてしまって・・・本当にすみません・・・でもまた懲りずに京都に来て下さいね。東西南北、四季折々、京都は自転車で巡るにもってこいのところですから。

(今回インプレッションしたMTR02の製作過程など後日特別ページにて詳しくご紹介します)

◀▲Mokuに到着して、キャノンデール・ジャパンの秋吉氏と合流。松尾大社近くのイタリアン『accogliente-アッコリエンテ』で会食。ここは古い民家をリノベーションした隠れ家的なお店で親子二人三脚(シェフが息子さんで、サービスがお父さん)で営まれている家庭的なお店です。

男性3人でクリスマス前にイタリアン・・。色々と気になるところがありますがそこはスルーしていただいて・・・。男同士、人生について熱く語ったり語らなかったり・・・。 鈴鹿のあの時も長い時間一緒に過ごした訳ではありませんでしたが、波長の合う人と話すと時間の流れを感じさせないというか、目指すものは違っていても、何か一緒の方向を向いているような良い刺激を受けます。モールトンで挑戦した鈴鹿の事も今でも鮮明に記憶に残ってると言われていたのも嬉しかったです。

▲寒いよ〜〜〜って叫びながら撮った一枚。

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初冬の京都しっとりツーリング
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 Alex Moulton MTR02インプレッション
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 Alex Moulton MTR02インプレッション

▲すこぶる寒い峠で撮影した貴重な一枚。

初冬の京都しっとりツーリング 〜川沿いを走る〜

MTR02 インプレッション