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 3.下準備_フレームアライメント、フォークアライメント

 4.パーツの取付け

<フレーム&フォークアライメントの重要性>

分かりやすく画像に緑の中心線を入れてみましたが、歪んだままのフレームに車輪を付けてみると、目視で確認できるほどホイールがズレているのが分かります。フレーム単体で1〜3mmほどセンターがズレていたとしても、その程度なら大したこと無いと思われるかもしれませんが、車輪が中心からズレていると、車輪を引きずって走っている状態(後ろから引っ張られている状態)になるため、いくら高性能なホイールやハブを組み付けても根本がズレているため、その効果は充分に体感できません。より早く、まっすぐに、気持ちよく自転車に乗るための下準備として、定盤を使ってフレームの歪みを修正することはとても重要なことなのです。

25)次にフロントフォークエンドのセンター(芯)を点検・修正します。 左右どちらかのフォークが片側に開いていたり、中心に寄っていたりするので、左右のフォークが中心からエンドまで均等になるように開きを修正します 。26)次にフォークエンドが左右平行の位置にあるか点検・修正します(平行度の確認)。画像では左が内側に入っていて、右が外側を向いていますが、左右交互に少しづつ修正してまっすぐになるよう修正します。これでようやくフレームの下準備が整いました。

27〜28)AMシリーズのエンドは規定のものに比べて厚みが薄く、ハブ軸の方が長くなってしまうため、フレームエンドからハブ軸が突き出てしまいます。このままではナットが軸に当たって、しっかりとホイールをフレームに固定することができない上に、ホイールが外れてしまう可能性もあるため、ハブ軸をリアエンドと同じ厚みになるようにハブを分解してハブ軸を加工します。(ここで適当な厚みのワッシャーを入れて対処することもできますが、それはあくまでも間に合わせに過ぎないため確実に固定できるように加工します)

29〜30)ハブを分解して、ハブ軸、ハブナット、クイックナットを旋盤で加工します。 パーツメーカーにもよりますが、ハブ軸を加工してもまだ固定力が弱い場合は、ハブナットの内側を0.数ミリ深く加工します。車輪を固定しているクイックシャフトも、ナット部分から突き出しているので数ミリカットします。

31) フレクシターを採用しているAM 20inchシリーズは、フロントブレーキの取り付け方法が通常とは異なります。ブレーキに付属しているナットでは、画像のように出しろが短く、ネジがしっかり噛まない上に、ガタも出やすく危険です。ブレーキは操作時に大きな力が加わるため、取付けボルトのネジ山が少しでも多くナットに掛かるように考えます。32)数種類あるブレーキナットから近いサイズのものを選び、合うものが無ければナットの長さを加工します。

39〜40)Moulton純正ハブは回りが良くないことが多く、その場合は一部を分解して旋盤加工します。

33)適当なボルトを選んで加工することでナットの頭が正しい位置まで出てきています。

34)AMシリーズのインナーケーブルガイドは、そのままケーブルを通してしまうと、ケーブルとフレームの金属同士が擦れ合い、ブレーキやシフトの引きが重くなるので以下の作業を行います。

35)樹脂製のライナーを入れて摩擦を軽減させます。36)ライナーが外れないように先端を膨らせます。また、 ステムの角度によってはステムに干渉してアウターケーブルが削れる場合があるため、チューブを付けてアウターワイヤーを保護します。そしてインナーケーブルのエンドは、エンドキャップを使わずに全てハンダ付けをします。

43〜44)シートポストの下側部分は切りぱっなしで、シートの上げ下げ時にフレーム内に傷が付きやすくなるので、滑らかに研磨しておきます。

37〜38)キングピン(フレーム分割部)にグリスが付いていない場合もあるため、分解して付いてなければグリスを塗ります。

41〜42)純正シートポストのクランプボルトが短いため長い物に換えて、丁度よい長さに加工します。

45) ポジションの数値を確認します(データ取り)。 ワイヤーケーブルを取り付ける前に、股下寸法などを基準にして測定器を使い、サドルの高さと前後位置、ハンドルの高さ、ブレーキレバーからサドルまでの距離などをセッティングしてデーターとして保存しておきます。

※ワンポイント:自転車のフィッティングはとても大切です。体に合わせてセッティングされた自転車は乗りやすく、体力の消耗度合いも変わってきます。また、ワイヤーケーブルの長さはハンドリングにも影響するため、弛みすぎず、短すぎないように測定器できちんと測ります。

46)パーツを組み付け、調整して完了です。

23)Moulton専用に製作した定盤で、フレームのセンター(芯)を点検・修正します。 Moultonの多くは、フレームセンターがほとんど出ていないため、より快適に、より走るモールトンを組み上げるためにはこの作業が重要になってきます。

24)リアフォークのエンド幅は、規定の130mmよりも広かったり狭かったりとバラバラです。ロウ付けによる熱でパイプが歪んでしまうのが原因です。ここは修正されないまま納品されるのでこの幅も規定値に近づけるよう修正します。Moultonフレームは特殊な構造をしているため、定盤の上でフレームを修正するのが難しく「定盤で確認→メンテナンス台で修正」という作業を何度も繰り返し行います。

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・・・補足・・・

フォーク・アライメントの詳しい作業内容はこち▶▶▶alignment_fork_a.html

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Alex Moulton Bicycle AMシリーズは、最上級モデルで200万円を超え、

その他ロードバイクなど様々な自転車を含めても最高級の部類に入る車両です。

ここで紹介しています一つ一つの組み立て方法や加工は、

アフターマーケットで購買欲がそそられるような趣味要素の高いパーツに比べ地味ですが、

一つ一つの積み重ねによって最高のパフォーマンスを引き出すことが出来ると考えています

ミニクーパーで培ったメカニック経験を生かし、

エンジンのチューニングやオーバーホールでの繊細な感覚、物作りの意識を常に持って、

高級車両にふさわしい、最高のパフォーマンスを体感していただけるよう、

一台一台丁寧に組み上げお渡ししています。

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Alex Moulton AM 20inch Series
フレーム・アライメントの詳しい作業内容はこち▶▶▶alignment_frame_a.html

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